知っておきたいJRC蘇生ガイドライン2020
2026.07.02 コラム
救命処置をより分かりやすく
心肺蘇生法やAEDの使い方の基準となる「JRC蘇生ガイドライン2020」が公表されました。蘇生ガイドラインは、救命の現場で集められた多くのデータや研究結果をもとに、より救命率を高めるため定期的に見直されています。今回の改定では、これまで以上に「分かりやすく、迷わず行動できること」が重視されました。
迷ったら胸骨圧迫を始める
例えば、倒れている人の呼吸や意識の有無に迷った場合は、「異常あり」と考えて胸骨圧迫を始めることが推奨されています。また、119番通報をした際には、通信指令員の指示を受けながら救命処置を進めることも重要なポイントとして示されています。最近では携帯電話のスピーカー機能を活用しながら胸骨圧迫を行うことも一般的になっています。
胸骨圧迫と人工呼吸の考え方
胸骨圧迫については、「強く・速く・絶え間なく」という基本が引き続き重視されています。救助者が複数いる場合は交代しながら続けることも大切です。人工呼吸については、訓練を受けていない一般市民の場合、胸骨圧迫のみでもよいとされています。一方で、技術と意思がある場合には人工呼吸を組み合わせた心肺蘇生法を行います。特に子どもの心停止では人工呼吸の重要性が高いことも改めて示されました。
AEDの表記も分かりやすく変更
今回のガイドラインでは、AEDの「小児用」という表記についても見直しが行われました。今後は「小児用」ではなく「未就学児用」という表記へ変更される予定です。これまで「小児用」という言葉から、小学生にも小児モードを使うと誤解されることがありました。しかし実際には、小学生以上は成人モード(成人用パッド)を使用します。表記の変更によって、より分かりやすくなることが期待されています。ただし、現在設置されているAEDの多くは従来の「成人用」「小児用」という表記のままです。しばらくは新旧の表記が混在するため、「未就学児は小児用、小学生以上は成人用」というポイントを覚えておくと安心です。
大切な基本は変わらない
ガイドラインは変わっても、大切なことは変わりません。「迷ったら119番通報をし、胸骨圧迫を始め、AEDを使う」その基本が、命を救う第一歩になります。

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