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AED設置は義務?安全配慮義務という考え方

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身近になったAED

AEDは今や特別な設備ではなく、多くの人が目にする身近な存在になりました。学校やスポーツ施設、商業施設などでも設置が進み、「あって当たり前」と感じる方も増えているのではないでしょうか。しかし、AEDの設置については、現時点で全国一律の義務や罰則規定があるわけではありません。

「安全配慮義務」という考え

近年は、AEDの設置を含めた安全対策や救護体制のあり方が重要視されるようになっています。その背景にあるのが「安全配慮義務」という考え方です。事故や健康被害が発生した場合には、

  • 危険を予測できたか
  • 被害を防ぐ手段があったか
  • 必要な対策を講じていたか

といった点が問われることがあります。

AEDをめぐる裁判例から見る考え方の変化

AEDについても、こうした安全配慮義務の観点から議論されるケースが出てきています。実際に過去の裁判例を見ると、その考え方の変化がうかがえます。2010年に新潟県内の小学校で発生した児童の心停止事案では、裁判所は「AEDを使用することが当時一般的な義務として認識されていたとは言えない」として、遺族側の主張を認めませんでした。一方、2015年に埼玉県内の高校で発生した事案では、学校の救護体制が不十分で、AED到着まで約20分を要したことなどから、裁判所は学校側の注意義務違反を認めています。この間にAEDの普及が進み、社会的な認知度も高まりました。

「AEDを備えているか」だけでなく「使える体制」も重要に

その結果、「AEDがあれば救えた可能性」や「適切な救護体制を整えていたか」が、より重視されるようになってきたと考えられます。もちろん、AED関連の訴訟では、AEDの不使用と死亡との因果関係を立証することが難しく、すべてのケースで責任が認められるわけではありません。しかし、AEDの存在が広く知られるようになった現在では、「備えていたか」「使える体制だったか」という視点は以前より重要になっていると言えるでしょう。

万が一のためにAEDを備える

近年はマラソン大会やスポーツイベント、地域のお祭り、大規模な集客イベントなどが数多く開催されています。こうした場では、AEDを設置することだけでなく、どこに配置するのか、誰が対応するのかといった救護体制まで含めて検討することが大切です。AEDは万が一のための備えです。安全配慮義務という観点からも、施設やイベントに合ったAEDの配置や運用について、一度見直してみてはいかがでしょうか。

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