AED普及のきっかけとなった一曲 「君の瞳」に込められた想い
2026.07.13 コラム
救命講習で紹介される「君の瞳」
学校の救命講習やAED講習会などで、「君の瞳」という曲が紹介されることがあります。この曲は、青木まり子さんが歌う優しい楽曲ですが、実はAED普及の歴史とも関わりのある一曲です。歌っているのはシンガーソングライターの青木まり子さん。そして作詞・作曲を手がけたのは、故・高円宮憲仁親王殿下です。「君の瞳」は、高円宮様が学習院中等科時代に作られた曲で、生前に親交のあった青木まり子さんへ「ぜひ歌ってほしい」と託された作品だったそうです。
AED普及の大きな転機となった出来事
高円宮様は2002年11月、スポーツ中に突然心室細動を発症し、47歳という若さで亡くなられました。心室細動とは、心臓が細かくけいれんし、全身へ血液を送り出せなくなる危険な不整脈です。発症すると一刻も早い除細動(電気ショック)が必要となります。当時はAEDの使用が医師や救急救命士などに限られており、一般市民が使用することはできませんでした。この出来事は社会に大きな衝撃を与え、AEDのあり方についての議論が進むきっかけとなりました。そして約2年後の2004年7月、法改正によって一般市民によるAEDの使用が認められることになります。現在では駅や学校、公共施設、商業施設など、さまざまな場所でAEDを見かけるようになりました。その背景には、多くの方々の努力と願いが込められています。
今も続くAED普及への取り組み
現在、高円宮妃久子殿下は日本AED財団の名誉総裁としてAED普及活動に取り組まれています。また、青木まり子さんもAED大使として活動され、全国各地でAEDや救命の大切さを伝え続けています。「君の瞳」は単なる楽曲ではなく、命の大切さや救命の重要性を伝えるメッセージソングとして、多くの人に親しまれています。
命をつなぐために
AEDは、突然の心停止から命を救うための大切な医療機器です。しかし、AEDは設置されているだけでは十分ではありません。いざという時に、誰かが勇気を持って行動することで初めてその力を発揮します。今では当たり前のように見かけるAEDですが、その普及の歴史の中には多くの人の想いがあります。「君の瞳」は、その歩みを静かに伝えてくれる一曲と言えるかもしれません。

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